上記写真の2坪の床‥
施主様から、この傷んだ床の上に
新しい「フロアー」を張って欲しいとの、ご依頼を受けました。
(写真では日光反射のせいで分かりにくいですが右側のボコボコだった床板をはがして新しい「構造用合板」に張替えして、ネタ垂木と大引きをビスで締め込み、既存のフロアーをネタに釘打ちしてからの作業になりました。)
先ずはポーターケーブル社製のビスケットジョイナーをハイコーキの掃除機に繋ぎ、
既存の床面から約9~13mm高さの所を集塵しながらしゃくっていきます。
(※ 機械の下端全体に薄い金属板を貼り付けてその高さになる様に改造してあります。ボンドの厚みを考慮します)
約1.7mをしゃくるのに20秒程度。
勿論、ゴミは掃除機に吸い込まれるので現場は汚れません。
今回のように1間×2間の現場のしゃくり作業だけなら、僅か5分程度で終わります。
フロアーを“敷居”や“寄せ”に差し込む作業の始まりは、あっけないくらいに簡単だ。
しかし、問題はここからだ‥
ポーターケーブルでしゃくられる溝幅は見ての通り4mm程度だ。
厚み12.5mmのフロアーが差し込まれる様にするには
さらなる作業を必要とする訳だが‥
それこそが今回の「大工の裏技、秘技」という事になる。
ハイコーキの「充電式ディスクグラインダー」に、“特別に改造された集塵カバー”を取り付けて
スターエム社の「エグリ刃」を取り付ける。
仕上げにハイコーキの集塵機とホースを接続。
「ブルートゥースバッテリー」をディスクグラインダーに取り付けて「ブルートゥース接続」をすれば‥
充電式ディスクグラインダーが集塵機と“無線連動”されて、集塵しながらの作業が可能になる。
(8Lタイプの倍の容量なのに、高さは僅か数センチ高いだけですから、買うならこの15Lタイプですね(´Д`))
敷居や寄せの材質によるが‥
パン粉のような切り屑が大量に出るので、集塵ホースを詰まらせないように配慮しなければならない。
1.7mの敷居をしゃくるなら1分くらいかけて
ゆっくりした作業をする必要がある。
この作業、1.7m×2箇所と3.5mが1箇所では大体15分程度で終了するが、隅っこはどうしても不可能。
でも、マルチツールを使えば何の問題も無い。
フロアーの切れっ端を定規にして8mm程度、刃を入れる。
(このBOSCHの刃が良く切れて安くてお気に入りです(´Д`)。)
勿論、既存の床面からも刃を入れてノミでさらい取る準備をする。
4分のノミでさらえば、フロアーを張る作業の“前準備”は終了になる。
既存の床に基準になる「墨」を打ち、フロアーをカット、挽き割って張り始める。
(この「東洋プライウッド」のフロアーはメス実に釘を打つタイプなので、張り始めが上の写真のようになります。)
フロアーが3mm程、敷居のシャクった所に入るので仕上がりが美しく更に“逃げ”が効くので作業が早くなり
更にボンドを入れたフロアーが溝のお陰でしっかり抑えられる事にもなり、床鳴り等のリスクが減る事にもなります。
勿論こういう床のリフォームで下の写真のようにコーキングで逃げる方法もあるのですが‥
こういう見た目になるのが残念‥
勿論、しゃくってフロアーを差し込むやり方に比べ「強度」は無い。
(敷居や柱にコーキングがベッチャリとしていてプロの仕事として、どうなのかという気持ちになるのは私だけでは無いだろうが‥
実際には多くの大工がこういう仕事をしてしまっているのが現状とも言えます‥)
フロアーを張り始めたら、敷居や寄せがシャクってあるから逃げが効いて、あっと言う間に終わるので
それまでにかかったしゃくり作業の時間は充分に取り戻せます。
ただ、張り終いだけは深めにしゃくる等、その現場に合わせた対応を取る必要があります。(私の拙い過去ブログを参考にされると良いと思います(´Д`)。)
こういった捻れた柱との絡みも綺麗に、違和感なく納めるにはしゃくり作業なくしては不可能だと思います。
掃き出しのサッシの部分はリフォームアングルでカバーするので、簡単綺麗に治められますが、
柱にフロアーを差し込むのが「張り終い」になる為に、この辺りは実(さね)の分を考慮して深めにしゃくる必要がありますね。
今回のような1~2坪の作業は、狭い故に作業場が無くてやり難いので
坪数の割には時間がかかってしまうという事があります。
更に傷んだ部材の交換とかあると大体1日近くかかってしまう感じですよね‥(´д`|||)。
今回のトピックスは、そのハイコーキのディスクグラインダーに取り付けた「集塵カバー」って事ですよね、先生!
ああ、その通りだ。
“敷居をしゃくってフロアーを突っ込む”やり方を、そもそも出来ないと諦めている若い大工でも、今から説明する内容がヒントになるだろう。
ハイコーキのディスクグラインダーに取り付けて「シャクリ作業」する裏技の要が「改造集塵カバー」だ。
それさえあれば、大工であればこのレベルの作業は簡単に行えるだろう。
日本の「サンバー大工」というおっちゃん大工さんが過去に
マキタのディスクグラインダーにアルミの集塵カバーを改造して‥という面倒くさいやり方をブログで発表していたが、
アルミ製の「集塵カバー」をディスクグラインダーでカットしたり、接着したりと
かなり難易度の高い内容だった。
おそらくこれを真似した若き大工さんは皆無だったと思われる。
更に言えば‥とあるメーカーではその敷居をしゃくる専用の機械を販売していたが、
あまりにも高価であり しかも扱いにくいという事でそれほど普及はしていない。
改めて“若き職人さんに希望の光を‥
作業方法のヒント”をって事ね?
皆さんこんにちは‥
過去にその面倒くさいやり方を発表した「サンバー大工」です(笑)。
わ〜お(笑)!マジかよ!何時からそこに居たんだよ(笑)!!
木工建築のトップガンの皆さん、改めてこんにちは。
皆さんは指し金の使い方は勿論 鉋やノミの扱いや建築法規の知識にも長けているエリートなのは誰もが認めるところだが‥
実戦とも言える現場の経験は私のような老眼大工のほうが勝るのも事実だ(笑)。
今日は君達に床のリフォームの裏技を解説して欲しいとの依頼を受けてここに来たが、皆さんの役に立つヒントを伝えられるよう、頑張りたいと思います。
サンバーの先生、その「特別に改造された集塵カバー」ってのは僕たちでも作られますか(笑)?
そうだな。君達なら朝飯前だろう。
ただ、やはりトライアンドエラーの繰り返しで完成形に辿り着く事にはなるとは思う。
先ずは「集塵カバーの汎用品」を準備する。
ラジオペンチ等でカバー周囲のブラシを撤去して
ハイコーキのディスクグラインダーに対応する“取り付けスペーサー”を選び取り付ける。
で、「エグリ刃」を付けてみるが‥
残念ながらカバー先端より刃が出てないから、
エグリ刃が12mm程度カバー先端から出るように、集塵カバーをカットする。
スライド丸ノコに“金属切断可能な刃”を取り付けて、「集塵カバー」をカット。
(カバー上部には“アルミ系金属”が使われていますが、一応普通の丸ノコ刃でも切れなくはないです。)
ハッキリ言えばこれはそれなりに危険な作業だ。
保護メガネを装着し、切断する集塵カバーはクランプなどで強固に押さえて切断して欲しい。
可動カバーは必要が無いので、切り取る。
さあ、これで「エグリ刃」はカバーの先端より出るようになった。
が‥
こうやって見てみると‥
これまた残念な事に「エグリ刃」と、集塵カバーが干渉しているのが分かるだろうか?
これでは使い物にはならない。
もともと付属されている「インナーフランジ」では、高さが低すぎるためだ。
インナーフランジには色んなサイズがメーカーから販売されているが、それを片っ端から買って試すのもありかも知れないが‥
私は長年使わなくなっていた「マキタの100Vサンダー」のロックナットを試しにはめてみたんだ。(ハイコーキにマキタ!ですけど、全く問題は無い(笑)!)
本来は刃を外側から固定するための部品だが‥
それを奥までねじ込んでから「エグリ刃」をのせてロックナットで固定してみた。
まぁ当たり前だが
ちゃんと固定が出来た(笑)。
いや、それどころか‥
クリアランスは完璧!
何よりも、集塵カバーの下端と「エグリ刃」の下端が完璧に一致した!
(場合によってはワッシャーを数枚かませる必要があるかもと考えていましたが偶然とは恐ろしい‥)
【補足】
(勿論、下端に出っ張っている変な突起状部品はノコギリやノミで撤去しておきます)
サンバー先生、良く見るとロックナットからボルト先端が出てない状態になっているから、なお良しって事ですよね?
ああ、まさにその通りだ。
偶然の産物だが、全てがベストな方向になった。
後はハイコーキの集塵ホースとそれが上手く接続出来ればパーフェクトって事よね?どうなのかしら?
そういう事だ!
ポーターケーブルとハイコーキ掃除機は特別何もしなくともホース接続が出来たけども‥
あれま。ガバガバ?
じゃあ、アダプターを外したなら?
ほぼ同寸法なので全く接続不可能。
因みにハイコーキ掃除機に付属品の全てのアダプターを試してみたが、やはり接続は不可能だった(笑)!
何だよ、この集塵カバー(笑)!
そもそもマキタのディスクグラインダーには取り付けさえも出来ない商品だってAmazonの「商品レビュー」にあるぞ!
サンバー先生‥
ミッションにはトラブルが付き物です。それを克服する事で人は成長すると思います。
いい事を言うじゃないか(笑)。
トラブルを楽しむ!経験値を上げてついでに成長もさせてもらう!
は〜あ トラブルトラブル〜(笑)!
楽しめ楽しめ〜(笑)!
ア、ア、ア〜マゾンを覗けば~
集塵機アダプターなんて売るほどあるよ~♪
ほ〜ら、あった♥
適当にぶった切って~♪
ノズルもぶった切って~♪
奥まで入るように色々カットもしてみる~!
お~っ!ジャストフィット(笑)!
短いスタッドビス?で固定すれば
もう完璧~щ(゜▽゜щ)!
勿論、ハイコーキ集塵機ホースともジャストフィ~ット!
最っ高だぜベイビ〜(笑)!
これで床のリフォームは楽勝だぜ〜!
そうだ〜!楽勝だ〜(笑)!
だがしか〜し!
今、紹介した「集塵カバー」はAmazonでも楽天市場でも販売を停止していたんだ‥
【※追記 2023年2月の時点で、代替商品が発売されている事に気が付きましたので、以下に紹介します(´Д`)】
想像だが‥
マキタのディスクグラインダーに取り付け不可能である事、
それと集塵ホースが接続出来ない中途半端なサイズのノズル径だから、多分取り付け不可能って事で返品が多くて
販売出来なくなったんじゃないかな‥?
だけどこの経験は多くのヒントを与えてくれた。次に活かせるだろう。
じゃあサンバー‥
貴方はこの無駄に長いブログをここまで読ませて、読者の方に申し訳ないと思わないの?
自分の答えは自分で探して見つけるものさ‥
だから僕は最初から「ヒント」って連呼してたんだ(笑)。
因みにサンバーさん‥
この「集塵アダプター」の代替品をAmazonは買うように勧めていますが‥
あ、それは絶対に買ってはいけません。125mmディスクグラインダー用のオーバーサイズな商品で、
100mmディスクグラインダーには取り付け不可能です。
嘘だろ!?
どうすんだよ!?
何とかならないのかよサンバーさんよぉ!!
その「集塵カバー」が改良して再販される可能性はゼロでは無いし、ヤフーオークションでなら購入も可能みたいだ。
マキタ純正品の「集塵カバー」ってのも普通に販売されているから「マキタ」使いの人にはそれを改造する手もあるだろう。
これを利用して、しゃくり作業に使える「改造集塵カバー」が作られるかは、その人の腕次第だ。
因みにこれはマキタディスクグラインダーに「集塵カバー」と「エグリカッター」を取り付けた状態だが‥
カバー下端から、カッター刃が数ミリ出ているのが確認出来る。
カバーの取り付け位置を下げて、辻褄合わせをすれば内部でエグリカッターとカバー内側部品が干渉するから、それは不可能。
カバー下端に「エポキシパテ」等で肉盛りして、カッター刃スレスレになるように調整するのがベストな方法だとは思う。
それとも全く違う「集塵カバー」が色々売られているから、改造に適しているのをイチから探すのも有りだとも思う‥
答えを出せるかはその人次第って事なのね?
ああ、情熱次第さ。
全てはそこに熱い思いがあるか無いかって事と‥
神様の御加護が足りてたか?って事なんだと思うんだ(笑)
(ねぇ、その目‥
何を考えているの(笑)?)
【繰り返しになりますが、販売中止になっていた「集塵カバー」が再販されていましたので、チャレンジしてみたい方はチャンスですよ~(´Д`)(笑)!】
(この商品は私の購入したものより部品が追加されているようですね。何かしら改善されている可能性があると見ます。もしかしたら、マキタにも取り付け可能かも知れませんね(´Д`)。)
【※使用画像について】
トップガンマーベリック
以下、Wikipediaより引用いたしました。